検針票だけの状態から、異常の芽が見えるまで
① 月 1 回の検針 → ② 自動検針にする → ③ 夜間の異常 → まとめはじめに、同じ施設で順に起きることを動かして見てください。月 1 回の検針では分からなかったことが、10 分ごとの自動検針にすると、その日のうちに分かる——この流れを掴んでいただくための図です。下の丸を押すと、場面を選んで見返せます。
ガスの使用量は、ほとんどの現場で月 1 回の検針票しか残っていません。そのため「何時に、どの設備が、どれだけ使ったのか」が誰にも分からず、使用量が増えても原因を特定できません。このアプリは、既設のガスメーターのパルス出力を電池式の無線カウンターで数えて自動検針にし、10 分ごとの使用量・熱量・CO2・原単位と、夜間に流れ続けている異常の芽を 1 画面にまとめます。検針のために人が行く必要はなく、メーターも交換しません。接点 2 本をつなぐだけで、電源工事もありません。実際の画面は ガス・水の使用量のデモ でご覧いただけます。
はじめに、同じ施設で順に起きることを動かして見てください。月 1 回の検針では分からなかったことが、10 分ごとの自動検針にすると、その日のうちに分かる——この流れを掴んでいただくための図です。下の丸を押すと、場面を選んで見返せます。
現場に置くのは EM300-DI と UG65 の 2 機種だけです。EM300-DI がメーターのパルス接点を数え、UG65 が LoRaWAN で受けて、デコード済みの JSON を MQTT でサーバーへ送ります。サーバー側で区間ごとの使用量に組み替え、画面と通知にします。
EM300-DI は履歴 1,000 件を保持して再送します。UG65 は回線が切れているあいだ最大 10,000 件を保持します。復旧時にまとめて届くため、同じ時刻の行が複数来ることがありますが、これは異常ではありません。
サーバー側は(機器, 時刻)の一意制約で重複を吸収します。
UG65 は 2,000 ノード以上を収容します(見通し 15 km・市街地で約 2 km)。同じ建屋なら 1 台にまとまることが多く、棟が分かれると増えます。
必要な台数は、Step 2 でセンサーを設置するときに電波を測って確定します。
UG65 の内蔵ネットワークサーバーが、デコード済みの JSON を MQTT(s) / HTTP(s) で送出します。BACnet/IP・Modbus 出力もあるため、既存の中央監視・BMS に載せることもできます。
温湿度も同じフレームで届くので、計器室の環境も一緒に見えます。
105.6 × 85.2 × 27 mm/114.2 g・壁ねじ・テープ・結束バンドで固定
| 入力 | 1 × GPIO(ドライ接点)/パルスカウンタ・デジタル入力 |
|---|---|
| 入力周波数 | 2,000 Hz 以下/最小パルス幅 250 μs(デジタルフィルタでノイズを除去) |
| 対応メーター | リードスイッチ式など、無電圧接点(パッシブ)のパルスメーター |
| ケーブル長 | 1 m(特注で変更可) |
| 無線 | LoRaWAN Class A(OTAA/ABP)・AS923-1&2&3&4・内蔵アンテナ |
| 温湿度 | -30〜+70 ℃(±0.3 ℃)/0〜100 %RH(±3 %)=計器室の環境も同時に取れます |
| 電池 | ER18505 Li-SOCl₂ 4,000 mAh ×1(8,000 mAh 版あり)/10 分間隔で 5 年 |
| 筐体・保護 | ABS+PC 難燃・白/IP67(結露なきこと) |
| 設定 | NFC(スマートフォンアプリ)/ダウンリンク |
機器側で、積算値のクリア、履歴の再送、流量/断流アラーム、温度しきい値アラームを設定できます。
技適 020-230050/卓上・壁・ポール取付/IP65
| LoRa | SX1302/8 チャンネル・受信感度 -140 dBm・送信 27 dBm |
|---|---|
| 収容台数 | 2,000 ノード以上/見通し 15 km・市街地で約 2 km |
| 周波数・アンテナ | AS923-1&2&3&4 ほか/内蔵アンテナ 2 + N 型外部アンテナ端子 |
| バックホール | 有線 1000BASE-T(PoE 受電)/Wi-Fi 2.4 GHz/4G LTE(オプション) |
| ネットワークサーバー | 内蔵 NS、または The Things Stack・ChirpStack 等の外部 NS |
| 出力 | MQTT(s) / HTTP(s) API、BACnet/IP、Modbus、Node-RED、Python SDK |
| CPU・メモリ | Quad-core 1.5 GHz Cortex-A53/512 MB RAM/8 GB eMMC |
| その他 | ノイズレベルの測定・可視化、IPsec/OpenVPN/WireGuard |
当社の標準設定は、内蔵コーデックでデコードし、MQTT(TLS 8883)へ拠点ごとのユーザーで送る形です。再送(Data Retransmission)は有効にします。
このアプリは、既設メーターから出ているパルスを数えるだけです。したがってメーターが「パルス発信器付き」であることと、1 パルスあたりの体積が分かることが前提になります。下は都市ガス用マイコンメーター(パルス発信器付き)の仕様例です。
| 発信形態 | 無電圧接点 |
|---|---|
| 接点容量 | 2.4 W |
| 接点最大電圧 | DC 24 V |
| 接点最大電流 | DC 0.1 A |
| 接点接触抵抗 | 0.1 Ω 以下 |
| 発信部ケーブル | 2 m(0.5 mm²-3C)赤・白・黒 |
| 構造 | 非防爆 |
| 呼称(号数) | 標準 | 特注 |
|---|---|---|
| 1・1.6・2.5・4・6 | 0.1 m³/P | 0.01 m³/P |
| 10・16 | 1 m³/P | 0.1 m³/P |
号数が大きいほど 1 パルスが粗くなります。10 号で標準の 1 m³/P だと、小さな流量では 1 時間に 1 発も出ないことがあります。細かく見たい場合は、特注レートのメーターが必要です。
機器が 10 分ごとに送るのは、その時点までの積算パルス数です。使用量は、受信ごとの差分に 1 パルスあたりの体積 k を掛けて作ります。この作りにすると、受信が遅れても抜けても合計がずれません。
| 受信時刻 | 積算パルス | 差分 | 使用量 |
|---|---|---|---|
| 15:00 | 65 | — | — |
| 15:10 | 68 | +3 | 0.3 m³ |
| 15:20 | 68 | 0 | 0 m³ |
| 15:30 | 74 | +6 | 0.6 m³ |
差分 × k を、後ろ側の受信時刻の区間に計上します。
画面は「今どれだけ使っているか」「いつ使っているか」「報告に使う形」の 3 つに分かれます。いずれも御社の建物名・系統名を入れた状態でお作りしてからご覧いただきます。
今の状態と、取り込めているかが 1 画面で分かります。
最終受信・電池・SNR を常に並べて出すのは、数字が出ない原因(機器か電波か回線か)を画面だけで切り分けられるようにするためです。
いつ使っているか、止まっているはずの時間に流れていないかを見ます。
土日と深夜が「色づいている」こと自体が是正の対象になります。夜間の最小値が上がってきたら、立ち消え・消し忘れ・微少漏れの疑いとして通知します。
報告と社内説明に使える形で出します。
原単位の分母(生産量・客数など)は手入力または CSV 取込です。分母がない月は原単位を出しません(推定値を混ぜません)。
V = Σ(Δパルス × k)k = 1 パルスあたりの体積。メーターの銘板・仕様書が一次ソースですQ = V × 単位熱量[MJ/m³]単位熱量はガス事業者の公表値(契約している熱量)を使いますE = V × 排出係数ガス事業者の公表係数、または省令で定める値を使いますV ÷ 分母(生産量・客数・面積)分母がない期間は算出しません(推定値を混ぜません)| 設定項目(拠点ごとに持ちます) | 例 | 取得元 |
|---|---|---|
| 1 パルスの体積 k | 0.1 m³/P | メーターの銘板・仕様書(号数で標準値が決まります) |
| 単位熱量 | 45 MJ/m³ 前後(13A の例) | ガス事業者の公表値。年度・事業者で異なるため決め打ちしません |
| CO2 排出係数 | 事業者別の公表係数 | 温対法では、都市ガス・熱は事業者ごとの公表係数または省令で定める値を用います |
| LP ガスの場合 | 体積 ↔ 質量の換算が必要 | ボンベ・バルクの管理単位(kg)に合わせて個別に定義します |
| 種類 | 条件 | 再通知 | 重大度 |
|---|---|---|---|
| 閾値超過 | 1 時間・1 日・1 か月の使用量がしきい値を超えた | 6 時間 | 注意 |
| ベースロード異常 | 夜間(例 2:00-4:00)の最小使用量がしきい値を超えた=立ち消え・消し忘れ・微少漏れの疑い | 6 時間 | 重要 |
| 使用ゼロ | 稼働時間帯に使用量が 0 のまま(設備停止・断ガスの疑い) | 6 時間 | 注意 |
| 計測点の途絶 | 最終受信から 30 分で疑い、24 時間で確報 | 24 時間 | 重要 |
| ゲートウェイ停止疑い | 同一拠点の全計測点が同時に途絶 | 6 時間 | 重要 |
| 電池低下 | 電池残量 20 % 以下 | 7 日 | 予防 |
| 電波品質の悪化 | SNR が復調限界付近で継続、またはフレーム抜けが続く | 24 時間 | 予防 |
UG65 自身は生存通知を出しません。全センサーが同時に止まったら、センサーではなくゲートウェイ(回線・再起動)を疑う設計にしています。設定変更や再起動のあいだはデータが抜けるため、作業時刻を記録し、画面に「保守中」を出せるようにします。
新しく作るのは画面と計算の部分だけです。受信(MQTT ブローカー)、保存(PostgreSQL + 時系列の圧縮・連続集約)、通知、バックアップ、監視は、当社が他の計測で使っているものと同じ構成です。1 台のサーバーに複数の拠点・複数のアプリを同居させる形も含みます。
| 計測点の一覧 | 鮮度・電池・電波品質つき |
|---|---|
| 区間ごとの使用量 | 期間と粒度を指定(粒度は自動も可) |
| ベースロードの推移 | 夜間の最小使用量 |
| 月次レポート | m³・MJ・CO2・前年比 |
| CSV 出力 | BOM 付き・拠点のタイムゾーン |
| 未復旧の通知一覧 | 画面の自動更新つき |
ログインは拠点ごとの権限で分けます。既存の中央監視・BMS に値を渡す場合は、UG65 の BACnet/IP・Modbus 出力を使う構成も選べます。
| 規模 | EM300-DI | UG65 |
|---|---|---|
| メーター 1 つ(1 系統) | 1 台 | 1 台 |
| メーター 3〜5 つ(系統別) | メーターの数だけ | 1 台(電波が届く範囲なら) |
| 棟・建物が分かれている | メーターの数だけ | 棟ごとに 1 台を目安 |
費用はメーターの数・棟の数・結線の条件で変わります。同じ「工場 1 棟」でも、見たい系統が 1 つか 5 つかで構成が違います。そのため定価のパッケージは置かず、何にいくらかかるかの内訳を先にお示しします。お見積りは Step 1 のデモ画面と Step 2 の実データを経て、構成が固まってからお出しします。
| EM300-DI(パルスカウンター) | メーターの数で決まります。メーター 1 つにつき 1 台です。1 台で複数のメーターをまとめることはできません |
|---|---|
| ゲートウェイ(UG65) | 棟の数と電波の届き方で決まります。同じ建屋なら 1 台にまとまることが多く、棟が分かれると増えます(→ 台数を先に決めない理由) |
| パルス端子への結線 | メーターの数と設置条件で決まります。保安機器に触る作業のため、ガス事業者・メーカーの了解を得てから行います。メーター本体の交換が必要な場合は、ガス事業者側の工事です |
| 画面の構築 | 作り込みの範囲で決まります。系統の分け方、原単位の分母、レポートの体裁を御社の判断のしかたに合わせます |
| 継続の監視・通知・レポート(月額) | 計測点数と通知の範囲で決まります。導入時だけで終える運用も選べます |
LP ガス(ボンベ・バルク)の場合は、体積ではなく質量での管理になるため、換算と残量管理の扱いを個別に決めます。残量は超音波の距離センサーで測る構成も組めます。
工場 1 拠点のガス 2 系統・水道 2 系統を 10 分ごとに。欠測の扱いと計算方法も画面上で確認できます。
同じ器でガス・蒸気・水と電力を並べられます。原単位を出すときは電力と合わせて見ます。
夜間の使用量が落ちない原因が水側のこともあります。漏水は検知シートで直接拾います。
エア漏れ、暑さ指数、フィルタ差圧、チョコ停など 11 件。手を付ける順番を整理しています。
ボイラーの燃料とろ過の電流、浴槽の湯温。使用量の増減を湯温と並べて見ます。
ボイラーと乾燥機の燃料、スチームトラップの詰まりと漏れ、仕上げ場の暑さ。
厨房のガスと冷蔵・冷凍庫の温度記録。多店舗の本部ビューで店舗別の原単位を比べます。
センサーを買う前に画面を作る 3 ステップ。A4 の PDF でもダウンロードできます。
メーターの銘板写真(型式・号数・パルスの表記)と系統の数、見たいことを教えていただければ、構成案と画面をお出しします。デモ画面の作成は無料です。パルス発信器が付いているかどうかの確認からご一緒にできます。
出典:Milesight「EM300-DI Datasheet」「UG65 Datasheet」(メーカー公開資料)/都市ガス用マイコンメーター(パルス発信器付)のメーカーカタログ/温対法の算定・報告・公表制度(都市ガス・熱の CO2 排出量は事業者ごとの公表係数または省令で定める値を用いる)。パルス仕様とパルスレートはメーターの機種で異なるため、案件ごとに銘板と仕様書で確認します。