テナントビル・ビル管理の見える化ダッシュボード
「空気環境測定の日は基準に入るが、それ以外の日は分からない」「暑い・寒いの苦情に、記録で答えられない」「棟は増えるのに、巡回と検針で 1 日が終わる」。延床 6,800 m²・8 階建てのテナントビルで毎日起きるこの 3 つを、フロアごとの連続測定・テナント別の電力・時間外空調の実績から 1 つの画面で見ます。受託している 6 棟を横に並べる画面も同じページに入れています。
現場の困りごと
ビルを預かる現場でよく聞く 3 つ測定日は基準に入るが、それ以外の日が分からない
延床 3,000 m² を超える事務所・店舗は特定建築物にあたり、空気環境の測定は 2 か月以内ごとに 1 回です。年 6 回の記録は残りますが、それはその日その時刻の点です。満席の会議室階が午後にどこまで上がったかは、どこにも残っていません。
「暑い・寒い」の苦情に、記録で答えられない
同じフロアでも、日射が当たる側と内側では体感が違います。苦情を受けてから現場に行っても、そのときの値しか分かりません。設定温度を動かすたびに別のテナントから逆の苦情が来る、という往復が続きます。
棟は増えるのに、巡回と検針で 1 日が終わる
受託が増えても人は増えません。各棟を回って計器を読み、時間外空調の申請と突き合わせ、月末に按分の表を作る。この作業が、提案や改善に使える時間を押し出しています。
統合ダッシュボード
1 棟の中と、受託 6 棟のフリートビューを 1 画面に仮想の現場: 延床 6,800 m²・地上 8 階のテナントビル 1 棟(テナント 12 社・1 階に店舗 2 区画)。同じ管理会社が受託している 6 棟のフリートビューを下に置いています。値は想定値で、開くたびに同じ画面です。
- フロアごとの CO2・温度・湿度と、管理基準を外していた時間(フロア別・時間帯別)
- テナント別の電力と、時間外空調の申請・実績の突き合わせ
- 受託 6 棟を外していた時間と電力で並べたフリートビュー、機械室の漏水
上の画像は、早朝から夜まで 1 日ぶん動く様子です。開くと再生・倍速・時刻の移動を操作できます。上部の「解説に戻る」でこのページに戻れます。
管理基準と、測れる項目・測れない項目
2022 年 4 月の改正後の値建築物衛生法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)の管理基準は 7 項目です。このうち当社の構成で同じ量を連続で測れるのは 5 項目で、一酸化炭素と気流は、当社が扱っている機器に該当するものがありません。先にここをはっきりさせておきます。
| 項目 | 管理基準 | 連続測定 | 使う機器・補足 |
|---|---|---|---|
| 二酸化炭素 | 1,000 ppm 以下 | できる | AM308(400〜2,000 ppm)/ AM307(400〜5,000 ppm) |
| 温度 | 18〜28℃ | できる | AM307 / AM308 |
| 相対湿度 | 40〜70% | できる | AM307 / AM308 |
| 浮遊粉じん | 0.15 mg/m³ 以下 | 参考値として | AM308 の PM2.5 / PM10。法定測定の方法とは別 |
| ホルムアルデヒド | 0.08 ppm 以下 | できる | AM319(HCHO 版・USB Type-C 給電。新装・改装区画に) |
| 一酸化炭素 | 6 ppm 以下 | できない | 当社が扱う機器に該当機種がありません |
| 気流 | 0.5 m/s 以下 | できない | 微風速計が必要です。該当機種がありません |
出典: 厚生労働省「建築物環境衛生管理基準について」ほか。2022 年 4 月 1 日施行の改正で、一酸化炭素は 10 ppm から 6 ppm に、温度の下限は 17℃ から 18℃ になりました。改正前の数値が載っている資料がまだ多く流通しているため、本ページは改正後の値で書いています。喫煙専用室に求められる出入口の気流 0.2 m/s 以上については、ビルの差圧(煙突効果)のページで扱っています。


このデモの想定: 延床 6,800 m²・8 階建てのテナントビル 1 棟と、同じ管理会社が受託する 6 棟。テナント区画の中に入らず、共用部と機械室だけで始めることもできます。
どこから始めるか
テナントの合意が要らない範囲からビルには、管理する側だけで決められる場所と、テナントとの調整が必要な場所があります。共用部・廊下・エントランス・機械室・電気室・屋上は前者です。ここだけで始められるので話が早く、効果の確認も早くなります。専有部の温湿度や CO2 に広げるのは、共用部で動いている画面を見せたあとのほうが通ります。
- 床スラブは電波を通しにくい。鉄筋コンクリートの床をまたぐと届かないことがあります。縦に長い建物では、階段室やパイプシャフトの位置が効きます。ゲートウェイの台数と置き場所は、Step 2 でセンサーを設置するときに電波を測って確定します。
- 測点は「外れやすい場所」に置きます。日射が当たる窓際、エントランスの風除室、吹き抜けに面した上階、人が集まる会議室。法定測定の測定点の近くにも 1 点置くと、連続測定の値の読み方が決まります。
- CT の取り付けは分電盤内の作業です。電気工事士が行います。どの系統にどのテナントがぶら下がっているかは、単線結線図を見せていただければ机上で整理できます。
- 既設の中央監視には接続しません。測るだけの構成です。中央監視や BA がある建物では、無理につながず別系統で測って並べるほうが早く始められます。連携が必要な場合は、信号の種類を確認してから個別にご相談ください。
- 高所の取り付けは専門業者に依頼します。センサーは電池式で両面テープかねじ止めですが、高い位置に付ける場合は高所作業になるため費用が別途かかります。
見えるようになること
- フロアごとの CO2・温度・湿度を連続で。苦情があった時刻の値をその場で出せる
- 管理基準を外していた時間が、フロア別・時間帯別に出る
- 日射側と内側の差。空調の系統と吹出の調整に話が移る
- テナント別・系統別の電力(概算)と、時間外空調の申請・実績の突き合わせ
- 受託している棟を横に並べた比較。巡回の順番と、提案する棟が決まる
- 機械室・電気室の漏水と温湿度
使う機器
Milesight AM307 × 4(会議室・エントランス。CO2 の範囲を広く取りたい場所)
Milesight EM300-TH × 8(機械室・電気室・階段室・屋上)
Milesight CT303 × 8(テナント系統・共用部・空調)Milesight EM300-SLD × 4(機械室・電気室・パイプシャフトの漏水)
Milesight UG65 × 1〜2(LoRaWAN ゲートウェイ)空調I/F(任意。時間外空調の記録や連動まで行う場合)AM307・AM308・EM300-TH・CT303・UG65 は技適取得済みです。空気環境のセンサーは電池式で、置くか貼るだけなので工事は要りません。CT の取り付けだけ分電盤内の作業になるため電気工事士が行います。ゲートウェイの台数は電波状況で変わります。階数が多い建物では床スラブが電波を遮るため、必要な台数は、Step 2 でセンサーを設置するときに電波を測って確定します。
物販店
来店客数と転換率、売場の温度ムラ、多店舗管理の本部ビュー
倉庫・物流
暑さ指数 WBGT の法令目安、多拠点管理のフリートビュー
オフィス
会議室の空予約、CO2 と換気、夜間の消し忘れ
工場
系統別の電力、設備の兆候、多拠点管理の本社ビュー
コンビニエンスストア
冷蔵ケースの温度記録(HACCP)、CO2、多店舗管理の本部ビュー
学校
教室の CO2 と換気、体育館の暑さ指数、放課後の消し忘れ
飲食店
冷蔵・冷凍庫の温度記録(HACCP)、厨房の暑さ、多店舗管理の本部ビュー
ホテル・宿泊施設
空室の空調、大浴場の温湿度、朝食の HACCP 記録
介護施設・高齢者住宅
夜間の在床・離床と転倒、居室の室温、脱衣所との温度差
カーディーラー
整備ピットの暑さと稼働、来店から契約までの歩留まり、EV 充電とデマンド
商業施設・ショッピングモール
共用部の空気環境、トイレの空きと清掃、フードコートの空席、区画別の通行量
スーパーマーケット
冷凍冷蔵ケースの温度記録、除霜と逸脱の切り分け、冷凍機の電流
温浴施設・スーパー銭湯
浴槽とサウナの温度、脱衣所との温度差、館内の混雑、ろ過とボイラーの電流
冷凍冷蔵倉庫
庫内の高さ別の温度と上下差、ドック扉の開放時間、デフロストと冷凍機の電流
クリーニング・リネンサプライ
スチームトラップの詰まりと漏れ、仕上げ場の暑さ指数、乾燥機の空回し
御社が管理している棟でも同じ画面を
棟の数と延床、フロアの用途、苦情が多い場所を教えていただければ、測り方と機器構成をお出しします。1 棟で試してから、棟を増やせます。
