トイレの見守り

商業施設の 1 フロアのトイレに、多機能トイレ 2 室は VS373(ミリ波レーダー)、一般個室 8 室は VS330(PIR+ToF の個室在室センサー)を置いた想定です。どちらも映像は扱いません。多機能トイレで人が倒れて動かなくなったこと、個室で滞在が長引いていることを検知し、同じ画面で混雑と清掃のタイミングも見ます。

想定値開くたびに同じ画面
多機能トイレ MF-1多機能トイレ MF-2 M-1M-2M-3M-4男性用 W-1W-2W-3W-4女性用 手洗い手洗い通路 入口 VS373 VS373 VS330 AM307 UG65 防災センター

① 13:12。多機能トイレ MF-1 に人が入る。VS373 のレーダーが在室を検知する

現場のイメージ(真上から見た図)— 困りごとが解決されるまで

現場の困りごと

施設の管理でよく聞く 3 つ
01

多機能トイレの中は、誰も見られない

多機能トイレは一人で入り、内側から施錠します。中で倒れても、外から分かるのは「ずっと使用中」という表示だけです。カメラは置けません。気付くのは、次に使おうとした人が長く待ったあとです。

この画面で分かること映像を使わないミリ波レーダーが、在室・無動・転倒を区別して送ります。無動が続いたら警報表示灯と防災センターに知らせます。
02

「長いだけ」と「異常」の区別がつかない

個室の滞在が長いこと自体は異常ではありません。鳴らしすぎると誰も見なくなり、しきい値を上げると今度は本当の異常を見落とします。

この画面で分かること個室の VS330 は PIR で人の動きを拾ってから ToF で距離を測り、5 秒ごとに在室を更新します。滞在時間を段階で扱い、15 分は記録だけ、30 分で見回りを依頼。無動や転倒は時間に関係なく即時です。
03

清掃の回数が、実際の使われ方と合っていない

清掃は時間で決めた巡回です。混んだ日もすいた日も同じ回数で、昼のピークのあとは汚れたまま、夜は誰も使っていないのに見に行きます。安全のためだけに投資は通りにくい、という話にもなります。

この画面で分かることVS330 の在室回数から、個室ごとの利用回数と時間帯の山が出ます。前回清掃からの利用回数で、次に行く時刻を決められます。扉のセンサーではないので、鍵をかけ忘れても数えられます。

ダッシュボード

10 室を 1 画面に
トイレの見守りのダッシュボード24 時間の動き ダッシュボードを開く

仮想の現場: 商業施設の 1 フロアのトイレ。多機能トイレ 2 室に VS373(ミリ波レーダー)、男性用・女性用の個室 8 室に VS330(PIR+ToF)、通路に AM307(空気質)1 台。値は想定値で、開くたびに同じ画面です。

  • 平面図の 10 室に、空室・使用中・15 分超・30 分超・転倒・受信なしを色で表示
  • 検知から駆けつけ・解除までのタイムライン(経過時間つき)
  • 時間帯別の利用回数と、前回清掃からの利用回数

ダッシュボードを開く

⚠ この構成は検知と通知までです。扉の遠隔解錠は含みません。上部の「解説に戻る」でこのページに戻れます。

MF-1MF-2男性用 4 室女性用 4 室VS373 ×2ミリ波レーダーVS330 ×8PIR+ToF・電池式
多機能トイレ 2 室 + 個室 8 室 + 通路 1 点多機能トイレの天井に VS373、個室の天井に VS330、通路に AM307
LoRaWAN(無線)状態が変わった瞬間に送信
Milesight UG65 LoRaWAN ゲートウェイ
ゲートウェイ UG65電源と回線だけ(LTE または有線)
クラウド無動・転倒は即時
トイレの見守りの画面
この画面PC・スマホのブラウザで見る

このデモの想定: 商業施設の 1 フロアのトイレ。⚠ ミリ波レーダーは電池式ではありません — USB Type-C の給電式(最大 9.5W)なので、多機能トイレの天井付近に電源が必要です。個室の VS330 は電池式(ER18505 4000mAh ×3・交換可)で、配線は要りません。⚠ 検知範囲は 2m×2m〜4m×5m、設置高さは 2.3〜3m です。広い多機能トイレでも 1 室 1 台で収まりますが、形が複雑な室は分けることがあります。必要な台数と設置位置は、Step 2 でセンサーを設置するときに確認します。⚠ 扉の遠隔解錠は含みません(検知と通知まで)。

個室のセンサー — Milesight VS330

PIR と ToF を組み合わせた、個室専用の在室検知センサー

多機能トイレは転倒まで見たいので VS373(ミリ波レーダー)を使いますが、一般個室で必要なのは「いま人がいるか」と「どれだけ居るか」です。ここは VS330 を使います。VS330 は個室 1 室ぶんを見るために作られたセンサーで、電池式なので配線工事が要りません。

01

PIR と ToF の二段構え

まず PIR(焦電型赤外線)が人の動きを拾い、そのあと ToF(光の往復時間で距離を測る方式)が対象までの距離を測って、5 秒間隔で在室の状態を更新します。PIR だけの人感センサーは「座ったまま動かない人」を取りこぼしますが、ToF は距離が変わったままであることで在室を保ち続けます。メーカーは自己校正アルゴリズムと合わせて 99.5% 以上の精度としています。

この構成での役割個室 8 室の在室と滞在時間。15 分・30 分のしきい値判定は、この値を使っています。
02

扉ではなく「人」を見る

扉の施錠や開閉を見る方式ではないので、鍵のかけ忘れ、扉の開けっぱなし、荷物だけ置いた離席に左右されません。映像も扱わないため、個室に取り付けても説明がつきます。ToF の視野は 27°、測定範囲 0.040〜3.500m、精度 ±2cm。プローブは 0〜75° の 6 段階で角度を変えられるので、便器の位置に合わせて向きを決められます。

この構成での役割利用回数の数え方がぶれません。清掃のタイミングを回数で決める前提になります。
03

電池で約 4 年・配線工事なし

ER18505(Li-SOCl₂ 4000mAh)3 本の電池式で、電池は交換できます。メーカー公称で約 4.2 年(SF7)。天井または壁に、ネジか 3M テープで取り付けます。Φ100 × 24mm・150g と小さく、基板には防湿コーティングがされていて、水まわりを想定した作りです。

VS373 との違いVS373 は常時レーダーを動かすため USB Type-C の給電が要ります。個室側は電池で済むので、電源のない個室にもそのまま付きます。

VS330 の仕様(要点)

出典: Milesight 公式の製品ページとデータシート
項目内容
検知方式PIR(動き)+ ToF(距離)の二段。PIR が先に起動し、ToF が 5 秒間隔で在室を更新
精度99.5% 以上(メーカー公称・自己校正アルゴリズム)
ToF視野 27°/測定範囲 0.040〜3.500m/精度 ±2cm/分解能 1mm
PIR検知角 80°/検知距離 最大 2.5m
プローブ角度0° / 15° / 30° / 45° / 60° / 75° の 6 段階で調整
電源ER18505 Li-SOCl₂ 4000mAh × 3(交換可)。約 4.2 年(SF7)/ SF10 で 3.3〜3.4 年
通信LoRaWAN Class A(OTAA / ABP)・内蔵アンテナ・受信感度 -137dBm
設定NFC(Milesight ToolBox)またはダウンリンク
外形・質量Φ100 × 24mm/150g(電池込み)
保護等級・環境IP30/-20〜60℃/0〜95% RH(結露なきこと)/基板に防湿コーティング
取付天井または壁(ネジまたは 3M テープ)
映像扱わない(個人を識別する情報を持ちません)
技適(日本)工事設計認証 220-JP6401(令和5年7月25日)/920.6〜928.0MHz・17mW

VS330 の技適は相互承認(MRA)による工事設計認証のため、認証番号が 220-JP6401 と英字を含む形式になっています。総務省の公開データベースで型式 VS330-915M / NF330-915M / VS330-9M / NF330-9M として確認できます。日本国内では AS923(920MHz帯)で運用するため、発注時に周波数帯の指定が必要です。

見えるようになること

  • 多機能トイレの中で人が倒れて動かなくなったことが、映像を使わずに分かる
  • 個室の滞在時間を 15 分・30 分の段階で扱い、鳴らしすぎと見落としのどちらも避けられる
  • 検知から駆けつけ・解除までの時刻が記録に残り、あとから説明できる
  • 個室ごとの利用回数と時間帯の山が出るので、清掃に行く時刻を実際の使われ方で決められる(扉の施錠ではなく在室で数えるため、鍵のかけ忘れに左右されない)
  • 給電が切れた室・電波が届かない室を「受信なし」として、正常とは別に表示する

使う機器

Milesight VS373 × 2(ミリ波レーダー、在室・無動・転倒・滞在時間、映像なし、USB Type-C 給電、技適取得済み 018-260043)Milesight VS330 × 8(個室在室検知センサー、PIR+ToF、電池式 約4年、技適取得済み 220-JP6401)Milesight AM307 × 1(CO2・温湿度・臭気の傾向、技適取得済み 018-260087)Milesight UG65 × 1〜(LoRaWAN ゲートウェイ、LTE または有線。台数は電波状況によります)クラウド(PostgreSQL + 通知)

🔴 これは人の見守りを置き換えるものではありません。メーカーも本機を補助的な道具と位置づけており、画面のしきい値警報は法令上の安全装置やインターロックの代わりにはなりません。運用の手順(誰が、どの段階で、何分以内に見に行くか)を決めたうえで併用してください。
ミリ波レーダーは映像を扱わないため、個室の中を撮らずに状態だけを送れます。既設の警報表示灯やナースコール・非常呼出盤には、本体の接点出力(60V/1A)を結線して鳴らす構成も取れます(結線は電気工事です)。多機能トイレの天井付近に電源が無い場合は、電源の引き込みが別途必要です。

自社の施設でも同じ画面を

トイレの平面図(個室の数と多機能トイレの位置)と、いま困っていることを教えていただければ、測点の配置案と画面をお出しします。

まず話を聞く(Step 1 は無料)はじめ方を見る