工場で知りたいことを、1 つのダッシュボードに
どこで電気を使っているか。設備は壊れそうか。記録は残っているか。作業環境は安全か。止まっていないか。工場で知りたいことは、だいたいこの 5 つです。当社はこれを測って 1 つの画面にまとめ、しきい値を超えたら現場のパトライトにも出すところまでをお請けします。回転機の振動、1000℃ 級の炉内温度、スチームトラップの判定、防爆エリアなど、後回しになりがちなところも同じ画面に載せられます。
その 5 つを、画面でどう出すか
グラフを並べるのではなく、判断できる形にしますうかがう困りごとは現場ごとに言い方が違いますが、知りたいことは同じところに落ち着きます。当社は 知りたいこと → 画面での出し方 → そこから決まること の順で設計します。機器の選定は、この表が決まったあとの話です。
| 知りたいこと | 画面での出し方 | そこから決まること |
|---|---|---|
| どこで電気を使っているか | 系統ごとの電力の推移。無人の時間帯を重ねて表示します | 圧縮空気の漏れ量、待機電力、設備更新の優先順位 |
| 設備は壊れそうか | 振動と温度のトレンド。しきい値を超えた設備だけ色が変わります | 点検の順番、部品の手配、止める日の決め方 |
| 記録は残っているか | 炉内温度・庫内温湿度の連続記録。日報と月報を CSV で書き出せます | 監査と顧客提出の資料、クレームが出たときの説明 |
| 作業環境は安全か | 作業場ごとの暑さ指数(WBGT)と騒音。基準に対する余裕を表示します | 休憩と給水の指示、スポット空調の置き場所、夜間作業の可否 |
| 止まっていないか | 稼働・待ち・停止の切り分け、漏水、タンク残量、信号灯の接点 | 一報の早さ、夜間と休日の駆けつけ判断 |
※ 全部を一度に始める必要はありません。1 つの困りごとから始めて、同じ画面に足していけます。
ダッシュボードに出るもの
既製の画面をお渡しするのではなく、御社の判断に合わせて作ります測ったあと、人が見て判断できる形になっているかで結果が変わります。当社の画面は次のものを標準で持たせます。
画面の作り込みは、御社の判断のしかたに合わせます
「部署ごとに見せる範囲を分けたい」「この 3 つだけ大きく出してほしい」「朝礼で使うので A4 で印刷したい」。こうしたご要望は設計の段階で取り込めます。平面図とお困りごとをいただければ、御社の設備を再現したデモ画面を無料でお作りします。機器を買う前に、画面を見てから決めていただけます。
測るものと、使うセンサー
工場でよくご相談をいただくもの基本は電池式で後付けできるセンサーからスタートし、工事が必要なものは事前にお知らせします。既設の設備や制御盤の配線には手を入れません。
| 測るもの | 何が分かるか | 使うセンサー |
|---|---|---|
| 系統別の電力 | 系統ごとの消費電力と電力量。無人時間の消費から漏れや待機電力が出ます | Milesight CT303 / CT305 / CT310 |
| フィルタ差圧・微差圧 | 数 Pa 単位の圧力差。目詰まりの進み方と清掃・交換の時期 | 微差圧計 + Milesight UC300 |
| 暑さ指数・温湿度 | 作業場ごとの WBGT と基準値に対する余裕。休憩と給水の判断 | Milesight EM300-TH / EM320-TH |
| 騒音 | 敷地境界と設備側の騒音レベル。いつ・どの設備かを時刻つきで特定 | Milesight WS302 |
| 配管・槽の表面温度 | 保温の劣化、熱源の ΔT。800℃ までの範囲をカバーします | Milesight EM500-PT100 |
| 漏水・油漏れ | 機械室、配管下、ピット、空調ドレン下の検知と即時通知 | Milesight EM300-SLD |
| タンク・サイロの残量 | 液面・粉体面までの距離。補給の判断を遠隔で、発注の自動化まで | Milesight EM400-MUD |
| 稼働・停止・チョコ停 | 信号灯や PLC の接点から、稼働・待ち・停止の切り分けと停止回数 | Milesight EM300-DI |
| 回転機の振動 | ポンプ・ファン・ブロワの軸受劣化の兆候。点検と部品手配の順番 | 横河電機 XS770A(一体形)/ XS540 + XS01VT(分離形) |
| 800℃ を超える温度 | 電気炉・焼成炉・めっき槽の炉内温度。K 熱電対で 1372℃ まで連続記録 | 横河電機 XS550 + 熱電対(+ XS110A) |
| スチームトラップ | 温度と音響から 正常・詰まり・蒸気漏れ を判定。何本漏れているか | 横河電機 XS822(+ XS110A) |
| ゲージ圧 | 圧縮空気のレシーバタンク圧、配管の元圧。気体・液体とも | 横河電機 XS530(+ XS110A) |
| 現場への警報 | しきい値を超えたら現場のパトライトを点灯。画面を見ていない人に伝える | Milesight UC300 + 積層信号灯 |
| 無線の集約 | センサーの電波を受けて上位へ送ります。建屋の規模と電波の通りを見て、台数と設置位置を決めます | Milesight UG65 |
※ 型番は測りたい対象と設置条件によって変わります。確定した型番と仕様は、構成を固めたうえでお見積と一緒にご提示します。測りたいものがこの表にない場合もご相談ください。
後回しになりがちな 4 つ
ここまで同じ画面に載せられます電力や温湿度は測っていても、次の 4 つは手つかずのまま残っていることが多い箇所です。この 4 つも、同じゲートウェイと同じ画面に載ります。
回転機の振動
ポンプ、ファン、ブロワ、コンプレッサー。軸やベアリングの劣化は振動に先に出ます。温度や電流だけでは、壊れる前に気づけません。
画面でどうなるか 3 軸の加速度と速度が設備ごとの線になり、しきい値を超えた設備だけ色が変わります。点検の順番と部品の手配が決まります。
センサー 横河電機 XS770A / XS540 + XS01VT
800℃ を超える温度
電気炉、焼成炉、乾燥炉、めっき槽の一部。測温抵抗体はプローブ次第で上限 800℃ 程度までで、その上の温度域が記録できません。
画面でどうなるか 炉ごとの連続記録が残り、そのまま日報と提出用の資料になります。K 熱電対なら 1372℃ まで、2 点入力。
センサー 横河電機 XS550 + 熱電対(+ XS110A)
スチームトラップ
表面温度からの「推定」はできますが、作動圧力やトラップの形式によって判断が変わるため、温度だけでは吹き抜けを言い切れません。
画面でどうなるか 温度と音響の両方から 正常・詰まり・蒸気漏れ を判定し、「何本中、何本が漏れているか」が出ます。台数が多いほど効きます。
センサー 横河電機 XS822(+ XS110A)
防爆エリア
塗装ブース、溶剤を扱う工程、可燃性の粉じんが出る工程。認証のない機器は、そもそも持ち込めません。
画面でどうなるか 防爆形の型番があるセンサーを選べば、危険箇所の中も同じ画面に載せられます。適用の条件は下で説明します。
センサー 横河電機 XS770A / XS110A / XS530 / XS550 / XS822 の防爆形
現場への警報 — パトライト
画面を見ていない人に伝える手段ダッシュボードは事務所で見るものです。現場で作業している人は画面を見ていません。そこで、しきい値を超えたときに現場のパトライト(積層信号灯)を点灯させます。使い方は 2 方向あります。
| 方向 | 何ができるか | 使う機器 |
|---|---|---|
| 既設のパトライトを読む | 設備に付いている信号灯や PLC の接点を拾い、稼働・待ち・停止とチョコ停の回数を画面に出します。設備側の配線は変えません | Milesight EM300-DI |
| パトライトを光らせる | リレー出力でパトライトを点灯・消灯します。差圧の超過、炉の温度異常、振動のしきい値超過、漏水の検知などを現場に出せます | Milesight UC300 + 積層信号灯 |
※ UC300 の入出力点数と IF-THEN の仕様は Milesight の UC300 LoRaWAN ユーザーガイドに基づきます。信号灯の駆動電圧と接点容量は、選定する信号灯に合わせて確認します。
無線でまとめて、同じ画面へ
サーバも社内 LAN も使いません測るものの種類がばらばらでも、同じ無線でゲートウェイに集まり、同じ画面に並びます。ここが崩れると、画面が増えて現場が見なくなります。
既設の設備と制御盤には手を入れません
センサーは両面テープかネジ留め、電流センサーは分電盤の中でクランプを挟むだけです。PLC のプログラム変更や、生産ラインの停止を伴う工事は発生しません。工場を止めずに始められることが、後付けの一番の利点です。なお、振動と温度のセンサーは NFC で初期設定を行う型番があり、その現場作業も当社が行います。
防爆エリアについて
断定はしません。条件を見て個別に確認します塗装ブースや溶剤を扱う工程にも設置できる、防爆形の型番があるセンサーがあります。たとえば横河電機 XS770A には本質安全防爆構造 Ex ic IIB T4 Gc(合格番号 CML 23JPN2552)の型があり、適合規格として「工場電気設備防爆指針(国際整合技術指針)JNIOSH-TR-46-1:2020 / 第 6 編 JNIOSH-TR-46-6:2015」が挙げられています。XS110A・XS530・XS550・XS822 にも防爆形のコードがあります。
ただし「防爆エリアで使えます」とは、この場では申し上げません
防爆の適用は、危険箇所の分類(ゾーン)、対象のガス・蒸気・粉じんの種類、発火温度、設置と配線の方法で決まります。機器に認証があることと、御社のその場所で使えることは別の話です。また、防爆形を選ぶと使用温度範囲や設置高度の制限が一般形より狭くなる型番もあります。
防爆エリアのご相談は、危険箇所の区分図と対象物質をいただいて、型番ごとに確認したうえでご回答します。確認が取れていないものを「取得済み」として提案書に載せることはしません。
※ 上記は横河電機の一般仕様書(GS 01W06E01-01JA ほか)の記載に基づく説明です。個別の案件への適用可否は、当社がメーカーに確認したうえでお伝えします。
測りたいものを並べていただければ、画面にしてお見せします
「振動も見たい」「炉の温度も記録したい」「何から始めればいいか分からない」でも構いません。測りたい対象と設置場所を教えていただければ、構成と画面の案をお出しします。平面図とお困りごとをいただければ、御社の設備に合わせたデモ画面の作成は無料です。現地調査が必要な場合の費用は、規模と距離に応じて個別にご相談します。
