スーパーマーケットの見える化ダッシュボード
「ケースの温度を 1 日 3 回、紙に書いている」「アラートが鳴りすぎて誰も見ていない」「電気の半分は冷凍冷蔵なのに、どの機械が食っているか分からない」。売場 1,200 m² の食品スーパーで毎日起きるこの 3 つを、ケース 20 測点の温度記録・冷凍機の電流・売場の温度ムラから 1 つの画面で見ます。
現場の困りごと
食品スーパーでよく聞く 3 つケースの温度を 1 日 3 回、紙に書いている
冷凍冷蔵の測点は 1 店舗で 20〜40 か所あります。開店前・昼・閉店後に売場を回って読み取り、用紙に書き写す作業です。忙しい時間に後からまとめて書くことになり、記録としての信頼が落ちます。
アラートが鳴りすぎて、誰も見なくなる
冷蔵ケースは数時間おきに除霜(デフロスト)が入り、そのたびに庫内が一時的に上がります。扉の開け閉めや品出しでも上がります。これを全部「異常」として鳴らすと通知が埋まり、本当の故障が埋もれます。
電気の主役は冷凍冷蔵なのに、内訳がない
スーパーの電気はオフィスや飲食店と違い、空調ではなく冷凍冷蔵が主役です。ところが請求書は店舗 1 本で届くので、どの冷凍機が食っているのか、増えているのかが分かりません。
統合ダッシュボード
ケース 20 測点・冷凍機・売場の温度ムラを 1 画面に仮想の現場: 食品スーパー 1 店舗(売場 1,200 m²・冷蔵多段ケース 8 本・冷凍平ケース 6 本・バックヤードの加工室 2・冷蔵 2・冷凍 2・機械室の冷凍機 3 台)。営業 9:00〜21:00。値は想定値で、開くたびに同じ画面です。
- ケース 20 測点の庫内温度と管理範囲、除霜・品出しによる一時上昇と逸脱の切り分け
- 冷凍機 3 台の電流と運転時間、吸込と吹出の温度差、デマンドの目安に対する比率
- 売場 6 ゾーンの温度ムラと、バックヤードの湿度(カビ・結露)
上の画像は、開店前から閉店後まで 1 日ぶん動く様子です。開くと再生・倍速・時刻の移動を操作できます。上部の「解説に戻る」でこのページに戻れます。
記録が要る理由と、記録でできないこと
HACCP とフロン排出抑制法スーパーの温度記録には、性質の違う 2 つの要求が重なっています。食品衛生法の HACCP に沿った衛生管理(2021 年 6 月に完全義務化)では、冷凍冷蔵の温度を決めた頻度で確認し、記録を残すことが求められます。もう 1 つはフロン排出抑制法で、こちらは機器の点検です。どちらも「自動で測れば終わり」にはならないので、何が置き換わって何が残るのかを分けて書きます。
| 要求 | 内容 | この画面で | 残ること |
|---|---|---|---|
| HACCP の温度記録 | 冷凍冷蔵の温度を確認し、記録を保存する | 置き換えられる | 管理範囲と逸脱時の対応手順は、お客様の衛生管理計画に合わせて設定します |
| フロン法 簡易点検 | 業務用の冷凍冷蔵機器・空調は全機器が対象。3 か月に 1 回以上。所有者(管理者)自身が行えます | 代わりにはならない | 点検そのものは人が行います。この画面は点検の順番を決める材料と、点検記録の裏付けに使います |
| フロン法 定期点検 | 冷凍冷蔵は圧縮機の定格出力 7.5kW 以上で年 1 回以上。空調は 50kW 以上で年 1 回以上、7.5kW 以上 50kW 未満で 3 年に 1 回以上。専門の知識を持つ者が行います | 代わりにはならない | 有資格者による点検です。当社は点検を行いません |
出典: 厚生労働省「HACCP に沿った衛生管理の制度化」、環境省・経済産業省「フロン排出抑制法」の管理者向け資料。点検の頻度と対象の判定は機器の仕様と設置状況で変わるため、個別の判断は専門業者または所管の窓口にご確認ください。


このデモの想定: 売場 1,200 m² の食品スーパー 1 店舗。ケースの庫内センサーはマグネットで付けるだけで、売場を止めずに設置できます。CT(電流)の取り付けだけ分電盤内の作業になるため電気工事士が行います。
設置の条件
スーパーで先に確認すること- 金属と冷蔵ケースは電波を遮ります。ケースの列が並ぶ売場と、金属棚の多いバックヤードは、同じ階でも電波の通り方が変わります。ゲートウェイの台数と置き場所は、Step 2 でセンサーを設置するときに電波を測って確定します。
- 庫内センサーは「どこを測るか」で値が変わります。吹出口の近くは低く、戻り空気の側は高く出ます。既設の温度計の表示と並べたい場合は、その表示が何を測っているかを先に合わせます。測点は 1 か所 1 台で、性質の違う値を平均しません。
- 冷凍平ケースは下限の確認が要ります。冷蔵と冷凍の多くは EM320-TH(−30℃ まで)で足りますが、それより低い温度帯のケースや冷凍庫は測定範囲の下限に当たるため、庫内の設定温度を先に確認します。
- 冷凍機の発停を見るなら周期を上げます。10 分ごとの送信では短い発停が消えます。発停の回数と運転時間を数える回路は、対象の回路だけ単独で CT を挟み、1 分周期(USB 給電)にします。
- 既設の冷凍機の制御には接続しません。測るだけの構成です。設定の変更や自動制御まで行う場合は、機器のメーカー・機種を確認してから別途ご相談ください。
見えるようになること
- 冷凍冷蔵 20 測点の庫内温度が 10 分ごとに残り、日報・月報を書き写す作業がなくなる
- 除霜・品出しによる一時上昇と、復帰しない本当の逸脱が分かれる
- 冷凍機ごとの電流と運転時間。吸込と吹出の温度差が縮んでいる機械が分かる
- デマンドの目安に対する比率と、冷凍冷蔵・空調・照明の内訳
- 売場 6 ゾーンの温度ムラと、バックヤードの湿度(カビ・結露)
使う機器
Milesight EM320-TH × 20(ケース・冷蔵庫・冷凍庫の庫内。−30℃ まで)
Milesight EM300-TH × 6(売場 6 ゾーン・バックヤード)
Milesight CT303 × 4(冷凍機 3 台・空調)
Milesight CT305 × 1(受電。デマンドの目安)Milesight EM500-PT100 × 6(任意。冷凍機の吸込と吹出の温度差)Milesight EM300-SLD × 2(機械室・ドレン下の漏水)
Milesight UG65 × 1〜(LoRaWAN ゲートウェイ)庫内のセンサーはマグネットで固定するだけ、売場とバックヤードのセンサーは両面テープで貼るだけです。CT の取り付けは分電盤内の作業になるため電気工事士が行います。ゲートウェイの台数は電波状況で変わります。冷蔵ケースの列と金属棚は電波を遮るため、必要な台数は、Step 2 でセンサーを設置するときに電波を測って確定します。
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