設備の異常を早期に検知する
飲食チェーン 12 店舗、空調室外機 32 台(メーカー混在)。室外機ごとの電力 1 分値からコンプレッサーの発停回数と稼働時間を毎日判定し、いつもと違う状態を「誰が・何を持って・いつ行くか」の対応カードまで落とします。監視して終わりではなく、保守会社の訪問計画がそのまま出てくる画面です。
想定値開くたびに同じ画面
🔴 この画面は、故障の時期を当てるものではありません。お出しできるのは ①いつもと違う状態の早期の検知(発停回数の増加、稼働時間の伸び、同じ外気温帯での電力量の増加)と、②劣化の傾向が線で見えることの 2 つです。「予知」という言い方をしていないのは、そこまでは申し上げられないからです。判定のしきい値は現場ごとに校正します。
対応カード
通知レベルの高い順。カードをクリックすると機器の 14 日間の推移を表示機器一覧
12 店舗 32 台 + 外部センサー 2 点。行をクリックすると詳細訪問計画
優先度順持参部品のまとめ
実運用では担当者の割り当てと、部品在庫(車載・倉庫)の引き当てをここで行います。
判定ルール(抜粋)
全 20 ルールのうち、このデモで発火しているもの| ルール | 条件 | レベル | 主な原因 |
|---|---|---|---|
| R-01 | 発停 4 回/時 超が 30 分継続 | L3 | 冷媒不足、圧力スイッチ、電磁接触器の接点 |
| R-02 | 日電力量が同外気温帯の 30 日平均 +3σ、または前週比 +100% | L2 | 熱交換器の汚れ、冷媒量 |
| R-06 | 稼働時間がベースライン +20% を 3 日連続 | L2 | ファン不良、能力低下 |
| R-09 | 閉店 2 時間後の起動 3 回/日が 3 日連続 | L1 | スケジュール設定の漏れ、消し忘れ |
| R-16 | 漏水センサーの検知 1 回 | L4 | ドレン詰まり、ドレンポンプ停止 |
| R-18 | フィルター差圧 80 Pa 超が 30 分 | L2 | 給気フィルターの詰まり |
| R-20 | 寿命消費率 80% 超 | L1 | 更新提案(故障ではない) |
ベースラインは店舗ごと(24 時間店 14.5 h/日、通常店 10.5 h/日)に、日平均外気温 1℃ あたり +3% で補正します。同じ外気温帯どうしで比べるので、暑い日を異常と誤判定しません。
通知レベル
誰に・どう届くか| レベル | 意味 | 通知の方法 | 訪問の目安 |
|---|---|---|---|
| L1 | 記録 | ダッシュボードに表示、週次メールにまとめて | 次回の定期訪問 |
| L2 | 要注意 | チャットに通知。24 時間以内に確認 | 今週中 |
| L3 | 対応 | プッシュ通知 + メール。未応答なら電話 | 24 時間以内 |
| L4 | 緊急 | 即時電話。15 分未確認で上位へエスカレーション | 当日 |
同じ機器の同じルールは、対応中(クローズ条件を満たすまで)は再通知しません。復旧は発生を通知していたときだけ知らせます。
起動回数はどう数えるか
電力 1 分値の例(制御なしの室外機、13:00〜15:00)起動検出のルール
- 電力の 1 分値(Wh/分)で、50 Wh/分以上の立ち上がりを「起動」と数えます。
- 待機レベル(約 15 Wh/分)が 2〜3 分続いたら「停止」です。
- 30 分値では突入が平均に埋もれて消えます(左のグラフの点線)。起動回数は 1 分値でしか取れません。
- メーターは空調回路単独にします。ショーケースなどが混在すると誤検出します。
- しきい値は業態・機種で再校正が必要です(運転中 14〜35 Wh/分の小型機では起動 10 / 停止 5 Wh/分に変更した例があります)。
別の現場の実測: 制御なしの室外機は 116〜122 回/日(130 Wh/分超のハンチング)、制御ありでは 16〜18 回/日(40〜55 Wh/分の巡航)でした。
見えるようになること
- どの店の・どの室外機に、いつ・誰が・何を持って行くかが一覧になる(アラートで終わらない)
- 発停回数の増加や稼働時間の伸びを、止まってしまう前に L1〜L4 の段階で知らせる
- 稼働時間と発停回数から劣化の目安(寿命消費率)を出し、更新の順番を計画できる
使う機器
Milesight CT305 × 32(室外機ごとに 1 台、電力 1 分周期、USB 給電、空調回路単独)
Milesight EM300-TH × 2 / 店舗(外気・機械室の温湿度、電池式)漏水センサー・差圧センサー(機械室、LoRaWAN、電池式)
Milesight UG65 × 1 / 店舗(LoRaWAN ゲートウェイ、LTE)クラウド(判定エンジン + 通知)CT の取り付けは分電盤内のため電気工事士の作業になります(1 台 30 分程度、停電不要のクランプ式)。センサー類は工事不要です。ゲートウェイの台数は電波状況で変わります。建物の構造・階数・距離によっては複数台になる場合があるため、必要な台数は、Step 2 でセンサーを設置するときに電波を測って確定します。
