急速充電器を増やすと、契約電力は足りるのか
高圧受電の契約電力は、過去 1 年間の 30 分デマンドの最大値で決まります。夏の午後、空調がフルに回っているところへ急速充電が重なった 30 分が、そのあと 1 年の基本料金を決めてしまいます。主幹と系統別の電流を測って、いまの余裕が何 kW あるか、超えそうなときに何から落とすか、充電器をあと何台置けるかを出します。
現場の困りごと
店舗の設備を預かる立場でよく聞く 3 つ急速充電器を増やしたいが、受電が足りるか分からない
見積を取ると「キュービクルの更新が要るかもしれない」と言われます。いまのピークが何 kW で、契約に対してどれだけ余裕があるのかを誰も持っていないので、増設するかどうかを決められません。
1 回ピークを作ると、1 年間効いてしまう
高圧の契約電力は、過去 1 年間の 30 分デマンドの最大値で決まります。夏の午後にたまたま重なった 30 分が、翌年の同じ月まで基本料金を押し上げます。しかも、それが起きたこと自体に気づきません。
閉店後に何が流れているのか分からない
看板、展示車のスポット、事務所、バックヤード。夜間にいくら使っているかは請求書の合計でしか見えません。意図して点けているのか、消し忘れなのかを切り分けられないので、毎年同じ議論になります。
統合ダッシュボード
デマンド・系統別・EV 充電を 1 画面に仮想の現場: 新車ディーラー 1 店舗(ショールーム+サービス工場)。高圧受電・契約電力 100 kW。急速充電器 50 kW × 1 台、普通充電 6 kW × 2 台。値は想定値で、開くたびに同じ画面です。
- 30 分デマンドの推移と、契約電力に対する余裕。枠の途中での見込み
- 系統別(空調・展示照明・事務所・サービス工場・EV 充電器)の kW と kWh
- EV 充電 1 回ごとの時間・電力量と、他の設備との重なり
- 無人時間に流れているものと、充電器をあと何台置けるか
上の画像は、深夜から夜まで 1 日ぶん動く様子です。開くと再生・倍速・時刻の移動を操作できます。上部の「解説に戻る」でこのページに戻れます。
デマンドの決まり方と、測り方
計算の根拠高圧受電の契約電力は、過去 1 年間の 30 分デマンドの最大値で決まります(実量制)。30 分デマンドは、その 30 分間の平均電力(kW)です。瞬間的に大きな電流が流れても 30 分ならして下がれば影響は小さく、逆に 30 分ずっと高いままだと、その値が契約電力になります。一度更新されると、そのあと 12 か月はその値が続きます。基本料金は契約電力に比例するので、夏の 1 日の 30 分が翌年まで効きます。
この画面の「見込み」は、枠の残り時間をいまの kW で埋めた値です。14:00〜14:30 の枠で、14:12 時点までの実績に、残り 18 分ぶんを「いまの kW が続くとして」足し、30 で割っています。先の予測ではなく、いまのまま行った場合の着地です。これなら外れ方が説明できます。
- 測るのは電流です。主幹に 1 つ、系統ごとに 1 つずつ CT(クランプ)を分電盤の中に挟みます。電圧と力率は仮定値で換算しているので、kW は概算です。正確な取引用の値が要る場合は、計量器側の値と突き合わせます
- 急速充電器は回路を分けて測ります。他の系統と混ざっていると、ピークの原因が特定できません
- 落とす順番は、決めておかないと間に合いません。30 分枠は待ってくれないので、「お客様の充電は絞らない」「まずショールームの空調を 1 ループ」のように、順番を先に合意しておきます
- 複数店舗を合計して原油換算 1,500 kL/年を超えると、省エネ法の特定事業者になり、定期報告の義務が生じます。拠点ごとの電力量をこの形で持っておくと、そのまま報告の下敷きになります
表示している数値は想定値で、特定の物件のデータではありません。金額は構成と契約内容で変わるため、この画面では kW と kWh だけを出しています。


このデモの想定: 高圧受電・契約電力 100 kW のディーラー 1 店舗。CT の取り付けは分電盤内の作業になるため電気工事士が行います。デマンドの警報だけなら測るだけで始められ、落とす制御まで行う場合は空調や照明の制御盤に接点または KNX / DALI の経路を足します。
見えるようになること
- 30 分デマンドの推移と、契約電力に対する余裕。枠の途中での着地見込み
- ピークが「何と何の重なり」で起きているか。系統別の kW と kWh
- EV 充電 1 回ごとの時間・電力量と、空調のピークとの重なり方
- 無人時間に流れているもの。回路ごとなので、演出は残して事務所だけ落とせます
- いまの契約のまま、充電器をあと何台置けるか
使う機器
Milesight CT305 × 2(主幹と EV 充電器の回路・大電流)
Milesight CT303 × 4(空調・展示照明・事務所・サービス工場)
Milesight EM300-TH × 1(屋外の温度。空調の負荷と並べます)
Milesight UG65 × 1(LoRaWAN ゲートウェイ)KNX / DALI(照明の回路別スケジュールと調光。落とす制御まで行う場合)CT は既設の電線に挟むだけで、配線の切断も停電も要りません。ただし分電盤の中の作業になるため電気工事士が行います。まずは測るだけで始めて、デマンドの警報を出すところまでが Step 2 の範囲です。落とす制御まで行う場合は、空調と照明の制御経路を別途確認します。ゲートウェイの台数は電波状況で変わるため、必要な台数は、Step 2 でセンサーを設置するときに電波を測って確定します。
関連する画面
同じ構成で組み合わせられますサービス工場の暑さと稼働
整備ピットの作業高さの WBGT と法令目安の超過時間、リフト 4 基の稼働と空き。この画面の「サービス工場」の中身です。
多拠点管理(本部ビュー)
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電力見える化
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照明制御
回路別の点灯・調光率、スケジュールと実績の差。閉店後に何を残して何を落とすかを決める画面です。
御社の店舗でも、同じ画面を
分電盤の系統表(手書き可)と契約電力、充電器の構成と台数を教えていただければ、測り方と機器構成、設置イメージをお出しします。
